2004年12月1日更新

PDFファイルの直接編集について−TouchUp機能の使用例

PDFファイルを直接編集する必要性が業務の中で生じました.

一般に,PDFは最終出力形式として広く使われていますが, 編集については,有料のツールが必要である事など,あまり便利とはいえません. 原稿を集めて一つにしてページ番号を付け直す,などの 小さな編集を目的として, Acrobatのtouchup機能を使った編集方法を調べました. ウェブや本も見ましたが,あまり詳しく載っていず, また自分自身これからしばしば必要になる事が予想されるので, 今の時点でわかったことをここに書いておきます.

実はPDFファイルには「品質」とも言える属性があります. 一番わかりやすいものとしては, 文字の書いてある原稿でも,それが「文字」として認識されている場合と, [画像」(単なるドットの集まり)でしかない場合があります. これはそのPDFの作られた環境(方法)に依存しており, その環境や方法は非常に多様です. また,良い品質でも,扱うPCの環境によっては同じPDF文書でも 取扱のしやすさが変わります(相性問題).

ここでは,いろいろな人から原稿が集まってくる状況など, いろいろな品質のPDFが混在している状況で,どう対処するか考えます.

なお,ここでは,Adobe Design Collection ( Illustrator10, Photoshop7, Acrobat6Proなどのパッケージ )がインストールされているWindows環境で,PDFにはセキュリティ設定による編集制限がかかっていないとします(これがあったらどうしようもない).

目次

なお,(「お約束」の記述ですが),この文書の利用に伴う諸問題については自己責任でお願いします.

「高品質」のPDFファイルの編集

PDFを作ったその同じマシンでそのPDFを取り扱う場合は,非常に簡単に編集できます. Acrobatで作ったファイルなら,文字はテキストとして認識されていると思いますし, また,Word,あるいはTexで作ったシステムでも,適切な設定であれば,大丈夫のはずです.他のマシンで作った場合も,フォントに関してうまく相性が合えば, ここに当てはまります.

1−1.まず,PDFをAcrobatで開きます
(例として使用しているPDFは応力研のトップページをPDF化したものです).

1−2.メニューから「ツール」−>「高度な編集」−>「高度な編集ツールバーを表示」します.

1−3.するとツールバーが現れます.

1−4.ツールバーの中に「T」と書いてあるのが「TouchUpテキストツール」であり, これを選択して,修正したい場所をクリックします.

1−5.そうすると入力できる状態になるので,適当に編集した後,別の場所をクリックして終わります.

以上です.とても簡単です.


「いま一つ」のPDFファイルの編集

上の操作1−4で次のようなエラー「選択内容の全部または一部に使用できるシステムフォントがありません.・・・テキストを追加または削除する事ができません.」 が出る事もあります.

この場合,直接の修正はできません.ただ,フォントが違っていいのであれば(ページ数を入れるなどはその方が好都合),消去(と言うか背景と同じ色にして見えないようにする)−>上書きの順で修正が可能です. その方法を以下に示します.

ただオリジナルがある場合はそちらを直す方が確実に速く,正確です.あくまでも最後の手段です.

まず,消去です.

2−1.まず上の手順1−1から1−3までを行います.

2−2.「TouchUpテキストツール」を選択して,修正したい場所をドラッグして選びます.

2−3.選んだまま右クリックをしてプロパティを選びます.

2−4.「テキスト」タブの中の「塗りつぶし」をクリックして白を選びます.

2−5.閉じるを押して,選択を外すと消えています.

次に上書きをします.

2−6.準備として,定規を表示します(メニューの表示から定規). 書きたい場所を拡大します. もし使いたいのであれば,グリッドを同様に表示します(メニューの表示からグリッド).グリッドの細かさは,メニューの編集から環境設定ウインドウの中の「単位とガイド」欄で調整できます.

2−7.書きたいところにマウスのカーソル(文字の方にフォーカスがあるとそちらにもカーソルがありますが,マウスの方です)を持って行き,コントロールキーを押しながらクリックします.すると,フォントとどの向きに文字を入力するかが出てきます.

設定し(そのままで良ければそのまま),OKを押すと「新規テキスト」という形で入力を受ける形になります.

2−8.ここで入力するのですが独特の癖があり,説明が難しいです.とりあえず「新規テキスト」のどこかにカーソルを入れ,入力した後で必要ない文字を消す,と言う方法をしてみてください.入力が終わったら,マウスカーソルで別の所をクリックして入力完了となります.入力全部を消したいときは全てをデリートすれば自動で元に戻ります.

また,残念なことに,この段階でもう位置調節ができません. 上のデリート−>書き込みを何度かするしかありません.その際,拡大表示をした上で,定規で入力時のカーソルの縦・横座標をメモしておく事が役に立ちます.

以上です.


「スキャンしただけ」のPDFファイルの編集

スキャナ等で取った文書は,文字文書と言うよりは画像です. そのため画像としての取扱になります. ここでも文字の置き換えは消去−>上書きの順で修正します. 上書きは2.と同じ方法ですので,消去の方法を以下に示します.

3−1.まず上の手順1−1から1−3までを行います.

3−2.高度な編集ツールバーの左端の下向き矢印を押し,出てくるメニューから 「TouchUpオブジェクトツール」を選択します.

3−3.ページをクリックし(画像としてページ全体が選択される),さらに右クリックから画像の編集を選びます.するとPhotoshopが起動されます.

3−4.Photoshopの操作を行います.例えば消しゴムツールを使えば,黒い線を消すことができます.そしてメニューのファイルから保存を選べば,編集結果がPDFに書き戻されます.

3−5.あとは,2−6から8の様に文字を上書きすれば完成です.

なお,3.の方法を一応文字認識がされている「いま一つ」のPDFファイルに対して行うと,イラストレータが立ち上げりますが,フォントが無いため変な形に文書が崩れてしまいました.全てそうなるかはわかりませんが・・・

以上です.



辻英一(九大応力研)