2017年度九州沖縄地区合同シンポジウム(開催予告)
2017年度九州沖縄地区合同シンポジウムとして下記が開催されますので、ご案内いたします。
ご参加のほど、宜しくお願いいたします。
「乱流混合と海洋環境」
共 催:一般社団法人水産海洋学会,日本海洋学会西南支部
日 時:2017年12月8日(金) 10:00~17:00(予定)
場 所:九州大学応用力学研究所 西棟W601号室 (春日市春日公園6-1)
コンビーナー:和方吉信(九大応力研),遠藤貴洋(九大応力研),山田東也(水研機構西水研)
基調講演:1~2題、40~50分程度
一般講演:8~10題、1題15~20分程度(講演者数により変更する場合があります)
参加登録料 : 無料
開催趣旨:
海洋生態系や水産資源変動,海洋汚染など,海洋環境に関わる問題を定量的に評価するためには,栄養塩や
汚染物質などの輸送過程を明らかにすることが必要不可欠である.潮流や海流など一般的な流動場がもたらす輸送につ
いては,計算機能力の著しい発達に伴う数値シミュレーションの高精度化,衛星海面高度計に代表されるリモートセン
シングやプロファイリングフロートによる現場観測の全球的な展開,そして両者を融合したデータ同化システムの実用
化により,天気予報のように海況予報が可能となりつつある.しかしながら,時空間スケールの小さな渦がもたらす乱
流混合過程は,流動場に深く関わる素過程のひとつであるにもかかわらず,格段に高精度化した数値モデルをもってし
ても表現することが難しく,観測結果を再現するためのパラメータとして組み込まれることが多いのが現状である。一
方,近年の計測技術の進展によって,乱流混合過程の観測事例が増えつつあるものの,乱流観測の長期間かつ広範囲の
展開が困難であることから,数値シミュレーションで用いるパラメータの妥当性を検証できるまでには至っていない.
そこで,今回の合同シンポジウムでは,このように未だ大きな不確定要素として残されている乱流混合,および,それ
が流動場ひいては海洋環境に及ぼす影響について,物理・化学・生物・水産に関する研究者が一堂に会し,それぞれの
観点から議論を提起して問題意識を共有することで,新たな研究の萌芽となる意見交換の場として役立つことを期待し
ている.
講演要旨
◇締 切:2017年11月17日(金)必着(送付先は講演申込先と同じ)
◇書 式:日本海洋学会の研究発表大会時の講演要旨に準ずる.
・ワードプロセッサーを用い,A4版用紙2枚以内.
・マージンは,上下に30mm,左右に20mmで設定.
・研究題目,発表者,所属,キーワードを上段(30mm程度)に記入.
・本文は2段組が望ましい.
プログラム:
10:00 開会の挨拶
座長:和方吉信(九大・応力研)
10:05 【基調講演】 ラングミュア循環の観測と数値シミュレーション
○吉川裕,藤原泰(京大理院)
10:45 LESによる海底境界層の乱流特性に関する研究
○和方吉信(九大応力研),政岡晴行(九大総理工)
11:05 日本海深層で観測された近慣性内部重力波の構造と伝播
○千手智晴(九大応力研)
11:25 沖縄トラフ北部の近慣性内部波エネルギー、乱流混合、水塊特性の季節変動
○中村啓彦,工藤尚也,仁科文子(鹿大水産),中野俊也(気象庁地球環境・海洋部)
11:45 豊後水道における乱流硝酸塩フラックスの見積もり
○堤英輔(九大応力研), 吉江直樹(愛媛大沿岸セ), 眞野能(愛媛大院理工),
神田泰成(愛媛大院理工), 藤井直紀(佐賀大低平地沿岸セ), 郭新宇(愛媛大沿岸セ)
12:05 気象庁137度定線における溶存酸素の長期変化における伊豆海嶺の影響
○中野俊也,高谷祐介,笹野大輔(気象庁),石井雅男(気象研)
12:25 休憩
座長:山田東也(水研機構西水研)
13:30 北部薩南海域における植物プランクトンの発生要因と物理イベントとの関係
○野宮岳人,澤田大樹,宮田唯佳,一宮睦雄,小森田智大(熊県大環境共生),
久米元(鹿大水産),小針統(鹿大水産)
13:50 鹿児島湾における黒潮暖水舌の流入が湾口部の春季ブルームに与える影響
○小森田智大,一宮睦雄(熊県大環境共生),久米元(鹿大水産),澤田大樹,
永田拓也(熊県大環境共生),小針統(鹿大水産)
14:10 鹿児島湾湾口部における小型浮魚類仔稚魚の出現状況と摂餌生態
○久米元(鹿大水産),竹田力,黒田大海(鹿大院),一宮睦雄,小森田智大(熊県大環境共生),平井惇也 (東大大海研),小針統(鹿大水産)
14:30 東シナ海黒潮の低次食物網におけるメソ動物プランクトンの役割
○加留福太郎,小針統(鹿大水産),本間大賀(鹿大院),金山健,久米元(鹿大水産),
一宮睦雄,小森田智大(熊県大環境共生)
14:50 黒潮内側の低次食物網における微小動物プランクトンの重要性
○金山健,小針統(鹿大水産),本間大賀(鹿大院),加留福太郎,久米元(鹿大水産),
一宮睦雄,小森田智大(熊県大環境共生)
15:10 休憩
座長:遠藤貴洋(九大応力研)
15:20 北米西岸設置ウェブカメラと粒子追跡モデルによる3.11震災漂流物の解析
○岩崎慎介, 磯辺篤彦(九大応力研),加古真一郎(鹿大院理工),片岡智哉
(東京理科大理工), 油布圭(九大応力研)
15:40 日本沿岸域における福島第一原発事故由来放射性セシウムの再循環
○猪股弥生(金大環日本海域環境研究セ),青山道夫(福島大環境放射能研),
浜島靖典(金大環日本海域環境研究セ),山田正俊(弘前大被ばく医療総合研)
16:00 ラグランジアン的にみたプランクトンブルーム
○木田新一郎(九大応力研),伊藤貴充(Georgia Tech)
16:20 Tidal strainingに伴う海底起源のトレーサー輸送に関する数値実験
○遠藤貴洋(九大応力研),Kirstin Schulz(NIOZ),Lars Umlauf(IOW)
16:40 総合討論