海洋乱流の研究
海洋波動の研究
エルニーニョの研究

 海底近くでは、海流は海底の起伏により乱流が発生します。この乱流をラージ・エディ・シミュレーションという手法で数値計算をして調べています。地球の回転ベクトルと水平成分によってもたらされるコリオリ力は乱流の発達に色々な影響をもたらします。また、海面近くでは大気と海洋が協調しあって乱流を生み出します。いま、その研究を始めています。

 海洋の赤道域には東に進むケルビン波が、また中緯度には西に進むロスビー波があることが知られています。これらの波動の伝播は、近年、人工衛星を用いた海面高度の観測から、広い領域で長期間に渡り観測できるようになってきました。これら波動の伝播特性を、データ解析や数値シミュレーション、理論計算から解明しています。

 熱帯域の東太平洋に発生するエル・ニーニョ現象は、大気の南方振動と密接に関連しており、今日では大気海洋結合不安定現象として理解されています。しかし、その発生・終焉にはかなりの非周期性があるため、非線形効果を考慮しその原因を究明しています。また、エル・ニーニョ現象の時間スケールより少し長い時間スケールで、太平洋に数十年の長い周期で変動する大気と海洋の結合した現象があることが最近わかってきています。これらの現象を簡略化した大気・海洋結合モデルから再現し、振動の仕組みを調べる。

最近行っている主な研究は次の様なものですが、基本は地球流体力学にありますから、興味があることが研究テーマと考えています。自然現象に対し不思議と思い、その気持ちを持ち続けられる学生さんの入学を期待しています。