九州大学応用力学研究所対馬海峡表層海況監視海洋レーダーシステム ―システム構成―

§ 機器構成

対馬海峡表層海況監視海洋レーダーシステムは、 Codar 社製の長距離計測用固定式レーダー 5 基、 長野日本無線社製の中距離計測用可搬式レーダー 2 基、 計 7 基の短波海洋レーダーにより構成されます。 各機種の諸元はつぎのとおりです。

長距離計測用固定式レーダー (Codar) の諸元

レーダー種別FMICW
送信出力40 W
周波数13.946 MHz ± 25 kHz
掃引率秒間 2 掃引
計測深度∼172 cm
最大計測距離∼100 km
実効計測距離∼75 km
距離分解能3.03 km
方位検出方式crossed-loop 受信アンテナ使用 MUSIC 方式
視角360° (72 方位)
方位分解能5.0°
偏波垂直偏波

中距離計測用可搬式レーダー (NJRC) の諸元

レーダー種別FMICW
送信出力110 W (尖頭値)
周波数24.515 MHz ± 50 kHz
掃引率秒間 2 掃引
計測深度∼98 cm
最大計測距離∼90 km
実効計測距離∼50 km
距離分解能1.50 km
方位検出方式phased-array 受信アンテナ使用 DBF 方式
視角90° (12 方位)
方位分解能7.5°
偏波垂直偏波

アンテナ系は 3 素子八木アンテナ 8 基の直線配列構成です。

§ データ処理の流れ

データ処理の大まかな流れはつぎのとおりです。

長距離固定式レーダー計測局
中距離可搬式レーダー計測局
1 日に 1 回中央局にデータを転送・収集
中央局

現在の運用では、 各計測局は 1 時間に 1 つのデータセットを生成します。 計測局に蓄積されたデータは、 1 日に 1 回、 まとめて中央局に転送・収集します。

転送したデータを中央局で解析し、 両機種の計測結果にもとづく流速格子点データを生成します。 この流況解析は、 1 日に 1 回自動的に実行され、 最新の流況図が Web で公開されます。 前日のデータにもとづくため、 実況とは 1 日程度のずれが生じます。

ただし、 事故や災害が発生した場合には、 データ収集の頻度を上げ、 速報態勢をとることが可能です。

§ お問い合わせ

お問い合わせは までお願いいたします。