【構造物の地震応答解析におけるR-FBIの影響】

 1995年1月17日 午前5時46分に発生した兵庫県南部地震では、多くの構造物が損壊、倒壊を起こし壊滅的な被害を受けた。しかしこのような状況の中で、免震装置により支えられた構造物は、そのほとんどが損傷を負わなかったとの報告がなされている。このことから「免震」の有用性、信頼性が実証され、社会的な関心度がますます高くなってきている。
 「免震」とは文字通り「地震から免れる」ことである。従来の構造物は地盤からの地震動を直接受け、構造物自身の強度やねばりによって地震力に抵抗するように設計されてきた。しかしこれに対して、地盤と構造物の間に地震力を絶縁するようなもの(則ち免震装置)を導入することによって、入力してくる地震力を低減することができ、当然上部構造物の応答も抑えることができる。従ってコスト面や技術面などに、従来ほどの要求を課さなくてすむようになる。
 本研究では、この免震装置の1つで、表面にテフロン加工が施されたステンレス板を何枚か重ねることにより得られる滑り摩擦と、中心部に差し込まれたラバーコアのせん断剛性によって、入力してくる地震のエネルギーを消散させるために開発されたR−FBI(The Resilient−Friction Base Isolator;弾性−摩擦基礎絶縁体)を免震装置として採用し、R-FBIの基礎的な特性を明らかにするとともに、上部構造物にどのような影響を及ぼすのかを、地震応答解析を行うことにより検討した。なお数値計算には、線形加速度法の一つであるNewmarkのβ法、及び Wilsonのθ法を用い、地震動の水平方向成分のみを考慮し解析を行った。その結果、次のような結論が得られた。

  1. R-FBIは入力してきた地震のエネルギーを、内部減衰よりも主に摩擦の効果、つまり滑らせることによって消散している。
  2. 摩擦係数が小さいほど上部構造物に伝わる地震力が抑えられる。
  3. 入力地震加速度が大きいほどR-FBIがよく滑り上部構造物の応答が抑えられる。
  4. 上部構造物の周期が短いほどR-FBIがよく滑り上部構造物の応答加速度が低減できる。則ち、上部構造物にかかる慣性力を抑えることができる。
  5. 本研究では地震波として実録強震記録である、El Centro NS (1940)、宮城県沖(1978)、日向灘沖(1968)、日本海中部(1983)、神戸 NS (1995)を使用したが、いずれの地震波に対しても上記のような免震効果が得られた。このことから、R-FBIは地震の種類に依存せずに効果を発揮すると考えられる。
 今後は鉛直地震動や、地盤との相互作用などを考慮しながら解析を進める必要がある。
(以上卒論より抜粋 一部改)

 これが私の卒論内容だったのですがお分かり頂けたでしょうか? そもそも「R-FBIって何?」という疑問が残ると思いますが、まあ簡単に説明しますと、5円玉を数枚重ねて、真ん中の穴の部分にゴム製の棒を差し込んだようなものと想像することができます。これを地盤(基礎)と構造物の間に挟み込むわけです。そこで地震が来ると、地盤が横に揺れる→この横揺れが5円玉(つまりR-FBI)に伝わる→5円玉同士が互いに滑ることによって地震動が相対的に吸収される→構造物に伝わる地震動が軽減される というような仕掛けになっているのです。


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