トカマクL/H遷移における二次元構造形成の影響

Hモードのような大きなポロイダル流が存在する場合、ポロイダル方向にショック状不均一構造が形成されることが理論的に示唆されている。そのためHモード密度ペデスタルの形成機構を解明するためには、径、ポロイダル両方向に急峻な二次元構造を考慮する必要がある。実際のHモードで観測される強い径電場(~10kV/m)に伴うポロイダル電場によって、径方向の対流的粒子束(ピンチ速度~1m/s以上)が生じる[9]。そのような粒子束を含む自己無撞着な輸送モデルを構築し、L/H遷移時の電場、密度の時間発展を示した(図)[15]。そしてこの径方向粒子輸送がL/H遷移時の早い密度ペデスタル形成の要因となり得ることを明らかにした。

図:L/H遷移時の径電場、密度の時間発展と遷移前後のポテンシャル揺動分布。

(参考文献番号は研究業績リストに対応)