レンズ風車

◆ ソーラーアップドラフトタワー式発電の高効率化に関する研究 ―ウインドソ-ラータワー

ソーラーアップドラフトタワーは別名ソーラータワーまたはソーラーチムニーと呼ばれメンテナンスが容易で砂漠地帯など太陽光以外のエネルギー資源が乏しい地域でも運用できる堅牢な発電システムです。 私たちは従来の熱上昇流の効果に加え、タワー出口付近を流れる上空風がタワー内流れを加速する効果に着目、その効果が非常に高いことを実験・数値計算で見つけました。 そして、流体力学的な工夫でその効率を増加させることに成功しています。この新しいシステムを「ウインドソーラータワー」と名付けました。

スペインに設置され実験的に1980年代に運用されたシステムに代表される、ソーラータワー型発電システムは地面部分と上空の空気温度の差によって生じる上昇流を煙突型タワー内へ誘導し、 その風の流れで内部に設置された風力発電装置を動かすという、一度建設してしまえばメンテナンスが容易な発電システムです。 これは設備の大きさに対する発電量が小さいという難点があり、 世界的にも一般的な風力発電や太陽光発電に比べあまり盛んに研究されていません。 しかし、この難点を克服できればとても素晴らしい安定した再生可能エネルギー発電システムになりえます。 私たちは風レンズ開発で得た知見を活かし、タワー形状を最適化し内部流速を高める研究をしています。太陽光発電とのハイブリット化も研究を始めています。 これまでのスケールモデル実験や風洞実験で発電効率増加の可能性を示すデータが得られ、2014年12月には高さ10mの実証試験装置を応用力学研究所の横に建設しました。 さらにはタワー上部に設置する「低圧発生装置」も開発がすすめられています。これはタワー上部とコレクター部の気圧の差を高めてタワー内の風速を加速させようというアイデアです。 上空風の影響によるタワー内流れの加速が大きいことはこれまで知られていませんでした。これが新システムが「ウインドソーラータワー」と命名された所以です。

ウインドソーラータワーイメージ図(日射によってコレクタ内の空気が温められる)
Wind Solar Tower



1980年代に運転されたマンザナーレスのソーラータワー
Wind Solar Tower


応用力学研究所の屋外に設置された10mタワー実験モデル
Wind Solar Tower


円筒タワーとディフューザ型タワーの比較(屋内実験モデル、高さ2m)
Wind Solar Tower


円筒タワーとディフューザ型タワーの温度差による筒内風速の比較.ディフューザ型のタワー内の流れが速いすなわち発電量が高いことが明らかに示されています.
Wind Solar Tower


上空風による吸い込み効果のメカニズム.この効果をさらに高める研究も行われています.
Wind Solar Tower


屋外10mタワーのデータの例.熱上昇流と上空風の効果がそれぞれおおよそ単独で見て取れるデータの例です.
Wind Solar Tower


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