国立大学法人九州大学 応用力学研究所

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2. 共同研究 募集内容(2023 年度 共同利用研究)

2-1. 特定研究の課題

特定研究1【国際】

研究テーマ: 回転成層流体における波動現象の多角的理解
研究統括者: 大貫 陽平(地球環境力学分野)
概要: 地球海洋や惑星大気には、天体の自転に起因したコリオリ力や重力成層した流体に働く浮力を復元力した多様な波動現象が存在します。これらの波動は、流れ場との相互作用や境界における反射・散乱を繰り返しながらエネルギーや運動量を運ぶことで、環境システムにおいて重要な役割を果たしています。

本特定研究では、海洋・大気における波動現象への理解を飛躍的に高め、全球数値モデルの精度向上や次世代観測衛星のデータ分析に資することを目指し、基礎流体物理的な研究を推進します。特に大型回転水槽実験やトポロジー理論を強みとした欧州グループとの連携を強化し、実験・理論・シミュレーションを柱とした多角的な研究アプローチを展開します。

特定研究2【分野融合】

研究テーマ: 計測・シミュレーション・モデリングを組み合わせた統合診断
研究統括者: 糟谷 直宏(核融合力学分野)
概要: 研究対象を計測することが対象理解の第一歩であるのはどの分野でも共通です。実験計測を行い、その信号の物理的意味を明らかにするうえで、様々なデータ駆動科学の手法やシミュレーションが利用されています。統合診断はシミュレーションデータを用いて計測結果を再現し、定量的解釈を提供するものです。例えばプラズマ乱流の大域的シミュレーションデータを用いたイメージングがあります。AI技法との親和性が高く、また、理論解析が巨大なデータ空間内での道標となります。

本特定研究では、様々な分野で行われている実験計測、複合シミュレーション、データ駆動モデリングを組み合わせた統合的診断手法の共通性や応用性を探ることで、液体・気体・プラズマのミクロ・マクロ的様相を理解するためのさらなる手法の進展を目指します。

特定研究3【分野融合】

研究テーマ: 実験・計測科学と計算科学の融合による新しい研究分野の開拓
研究統括者:
 
 
弓本 桂也(地球環境力学分野)
小菅 佑輔(核融合力学分野)
寒川 義裕(新エネルギー力学分野)
概要: これまでの科学研究では、研究対象を観測・計測し可視化する実験・計測科学と、物理・科学理論で構築された数値モデルで現象を再現・予測する計算科学がその発展に大きく寄与してきました。近年、機械学習や数理統計、データ同化の技術を用い両者を融合することで、おのおの単独では得られない知見の取得や、実験設定およびモデルパラメータの最適化が行われるようになっています。

本研究所は共同研究装置としてさまざまな実験・研究設備および大規模演算装置を有します。本特定研究では、これらの設備を利用しつつ、実験・計測および計算科学をベースとする研究者がコミュニケーションを取りつつ、両者を融合させた新しい研究分野の開拓を目指します。

特定研究4【新エネルギー力学分野】

研究テーマ: 日本型・洋上風力発電の導入に資するマルチスケール風況研究
研究統括者: 内田 孝紀(新エネルギー力学分野)
概要: 2050年の脱炭素社会の実現に向け、特に切り札として期待されているのが洋上風力発電です。日本の過酷な環境に適した洋上風力発電を成功させるためには、広域から局所域におけるマルチスケールの非線形風況場を正確に理解し、それらを統合、将来予測する必要があります。

本特定研究では、大型流体実験設備(風洞/水槽)、数値シミュレーション、屋外計測から総合的にマルチスケールの様々な風況問題にアプローチし、得られた結果をデータサイエンス的アプローチ等を用いて統合化・普遍化することで新しい学理構築と産業界への貢献を目指します。

 

 

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