西南支部ニュースレター(21号)
平成
11年7月21日
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1.平成10年度支部総会報告 |
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2.平成10年度支部例会報告 |
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3.平成11年度支部例会講演募集のお知らせ |
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4.第10回PAMS/JECSS研究集会のご案内 |
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5.支部会員名簿について |
1.平成10年度支部総会報告
1.開催場所 長崎海洋気象台会議室
2.開催日時 12月16日(水) 地区合同シンポジウムの昼食時
3.総会出席者(順不同)
4.議題
支部長 茶圓正明
副支部長 前田明夫
幹事 森永健司(水産海洋学会担当,平成
が選出された.
2)平成11年度事業計画
開催場所 長崎市
開催日 西日本海洋調査技術連絡会議の翌日
5.報告
<総会資料>
平成10年度日本海洋学会西南支部総会
日時:12月16日(水) 12:00〜13:00
場所:長崎海洋気象台会議室(2階)
1.支部長挨拶
2.議 題
1)次期支部役員(支部長、副支部長、幹事)の選出
2)平成
11年度事業計画3)その他
3.報 告
1)平成10年度事業報告
●平成
●ニュースレター19号(6月)、20号(11月)の発行
●西日本海洋調査技術連絡会議で
●海洋気象学会・水産海洋学会と共催で地区合同シンポジウムを開催(12月16日)
「九州周辺における沿岸の海洋環境」
コンビーナ:松野健、岡田良平、森永健司
2)会計報告
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●収 入 |
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23,510円 |
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前年度繰越金 |
3,510円 |
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賛助金(平成9年12月12日) |
20,000円 |
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●支 出 |
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20,490円 |
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ニュースレター19号 |
11,180円 |
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ニュースレター20号 |
9,310円 |
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●次年度繰越金 |
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3,020円 |
3)会員異動
平成10年9月現在で西南地区に在住する日本海洋学会員は170名である。本支部会員数は地区外在住の日本海洋学会員および地区内外の非海洋学会員とを合わせて186名である。ニュースレターを支部会員および西日本海洋調査技術連絡会に加入している16機関の担当者に配布している。
4)その他
2.平成
10年度支部例会報告1)プログラム
平成
10年度支部例会として、海洋気象学会、水産海洋学会と共催して、下記の日程、プログラムで九州沖縄地区合同シンポジウム「九州周辺における沿岸の海洋環境」を開催した。日本海洋学会西南支部、海洋気象学会、水産海洋学会
九州沖縄地区合同シンポジウム
「九州周辺における沿岸の海洋環境」
コンビーナー:
松野 健(長崎大学水産学部)
岡田良平(長崎海洋気象台)
森永健司(西海区水産研究所)
開催日時:
1998年12月16日(水)開催場所:長崎海洋気象台会議室
あいさつ
9:00-9:10 日本海洋学会西南支部長 茶圓正明趣旨説明
9:10-9:20 コンビーナー 松野 健座長 柳 哲雄(九州大学応用力学研究所)
9:20-10:351.東シナ海の黒潮流域における水塊と力学構造の変動特性
2.東シナ海定線(PN線)における植物色素量 盛山栄一(長崎海洋気象台)
3.定期フェリー観測資料から見た沖縄沿岸域の海面水温変動について
休憩
10:35-10:45座長
市川 洋(鹿児島大学水産学部) 10:45-12:004.鹿児島湾の海洋環境 櫻井仁人(鹿児島大学工学部)
5.衛星データと数値計算による鹿児島沿岸海域の流れ解析
6.志布志湾柏原海岸の決壊について 佐藤道郎(鹿児島大学工学部)
昼食(日本海洋学会西南支部総会)
12:00-13:15座長
渡辺康憲(西海区水産研究所) 13:15-14:307.有明海の海洋環境の変化について
8.有明海エスチャリーにおけるニホンスナモグリ個体群の爆発的分布拡大
9.長崎県周辺海域における長期海洋観測と衛星画像による水温データの利用について
休憩
14:30-14:45座長
今井正直(長崎海洋気象台) 14:45-16:0010.夏季の豊後水道における栄養塩の分布特性 中川倫寿(西海区水産研究所)
11.博多湾の塩分・リン・窒素の動態 柳 哲雄(九州大学応用力学研究所)
12.海色センサーADEOS/OCTSで見た九州沿岸環境 石坂丞二(長崎大学水産学部)
司会
コンビーナー 16:00-16:3013.総合討論 <Top>
2)例会概要
日本海洋学会西南支部、海洋気象学会、水産海洋学会による合同シンポジウム「九州周辺における沿岸の海洋環境」は1998年12月16日(水)長崎海洋気象台会議室において開催された。海洋学会西南支部茶圓正明支部長による挨拶およびコンビーナーからの趣旨説明の後、九州周辺沿岸域の外的条件となる東シナ海を対象とした研究発表から講演が始まった。東大海洋研の岡英太郎氏、及び長崎海洋気象台の盛山栄一氏は、PN線のデータを用い、それぞれ物理的な側面及び植物色素量の分布から黒潮の変動特性について報告した。続いて、琉球大学の小賀百樹氏は定期フェリー観測資料を用いて沖縄沿岸域の海面水温変動について論じ、台風による鉛直混合に伴った水温低下とその回復など、イベントに対する応答が注目された。鹿児島大学の櫻井仁人氏は鹿児島湾の海洋環境について長期間のデータを用いて紹介し、外洋水が湾口の東側から流入すること、CODは思ったほど増加していないこと、海底付近の溶存酸素が12月に最も低くなることなどが示された。鹿児島湾に関しては鹿児島県環境技術協会の幸野淳一氏が衛星データと数値モデルを用いた研究報告を行い、冬季にしばしば顕著な水温上昇が生じることが示された。これは一種の急潮と考えられ、鹿児島湾の海水交換に重要な役割をしていると考えられる。続いて、鹿児島大学の佐藤道郎氏は志布志湾に起こった海岸崩壊の例を取り上げ、十分に自然のメカニズムを理解しないで手を加えた結果生ずる影響について論じた。
午後は有明海の環境から始まり、福岡県水産センター有明海研究所の山本千裕氏からは、長期にわたる既存データのデータベース化に基づいた有明海の環境変化について話題提供があった。生活排水等の増加が必ずしも直ちには海域の環境にはね返らないという結果も示された。また、長崎大学の玉置昭夫氏は有明海の干潟域に生息する底生生物の生態に関する詳細な観測から、学際的な研究の重要性について述べた。長崎県総合水試の中田実氏は、長崎県沿岸域での長期の観測データから、冬季の水温上昇傾向、夏季の下降傾向などについて述べた。これは山本氏の示した有明海の記録でも同様であった。西海区水研の中川倫寿氏は豊後水道の栄養塩の分布調査から、外洋からしばしば進入する急潮が下層の栄養塩の分布に重要な影響を与えていることなどを示した。九州大学応力研の柳哲雄氏は博多湾の塩分・リン・窒素の動態について論じ、定常に要する時間スケールについて述べた。長崎大学の石坂丞二氏は衛星リモートセンシングによる水色データを紹介し、東シナ海や九州沿岸の基礎生産の高い海域の判別の可能性について論じた。
人間の様々な行為が及ぼす影響は,沿岸域で特に顕著に現れてくる問題であり,充分でない知見や評価による行為が予期しない結果を生む可能性が大きいことが示唆された。現在,沿岸域の変動の把握には気象庁や各県の水産試験場が行っている定期観測に加えて,フェリーや衛星などを利用したモニタリングが大きな役割を果たしつつあることが示された。これまでの手法によるモニタリングやリモートセンシングデータの利用では物理過程の解析に主眼が置かれていたが,近年の可視域リモートセンシングデータの普及により,他の環境要因(懸濁物質・植物色素量)の面的な広がりやその時間変動の把握が可能になってきた。しかし,モニタリングのみでは現象の本質を把握することは困難であり,生物学的・化学的過程を含むモデリングとの組み合わせによって,沿岸域の海洋環境予測に向けた変化過程の理解が期待される。
(コンビーナー:岡田良平、森永健司、松野 健)
<Top>
3)例会参加者(順不同)
篠原満寿美,浜田七郎,山本千裕,吉田幹英,廣田健一郎,清本容子,渡辺康憲,韓仁盛,神尾光一郎,
大崎章太郎,岳川さおり,幸野淳一,中川倫寿,種子田雄,小田勝之,木谷浩三,宮邉伸,松本悟,
余座尚久,盛山栄一,山田真知子,濱田健一郎,櫻井仁人,佐藤道郎,森永健司,松野健,中村啓彦,
渡辺俊輝,岡田良平,水田浩二,中田実,茶圓正明,若木静夫,市川敏弘,仁科文子,鹿熊信一郎,
小賀百樹,中村武弘,岡英太郎,柳哲雄,磯辺篤彦,鈴木利一,玉置昭夫,野上真子,濱原和広,
石坂丞二,市川洋
付記:下記の例会参加者から賛助金(各1口、千円)を戴いた。
柳哲雄,小賀百樹,磯辺篤彦,前田明夫,櫻井仁人,山城徹,佐藤道郎,市川敏弘,中村武弘,
中村啓彦,浜田七郎,渡辺康憲,清本容子,石坂丞二,茶圓正明,松野健,森永健司,岡田良平,
仁科文子,井上博敬,濱田健一郎,若木静夫,市川洋
11年度支部例会開催のお知らせ
平成
11年度支部例会として、海洋気象学会、水産海洋学会と共催して、以下のような趣旨に基づき、九州沖縄地区合同シンポジウム「五島灘周辺海域の海洋環境と漁業」
を開催します。日程、開催場所は次の通りです。話題提供者を募集しますので、講演希望者は募集要項に従って応募してください。
日 時:1999年12月上旬(西日本海洋調査連絡会議の翌日)
場 所:長崎海洋気象台
コンビーナー:
小林雅人(横浜商科大学)
岡田良平(長崎海洋気象台)
磯辺篤彦(九大総理工)
話題提供: 招待 4〜5題、一般 6〜7題
講演募集:
下記の趣旨に添った講演を募集します。講演を希望される方は、8月31日 までに下記に、題目、著者、内容がわかる程度の簡単な講演要旨(5,6行)をお送りください。後日A4版2枚程度の講演要旨をお送りいただきます。
申込先:〒226-0024 神奈川県横浜市緑区西八朔町761
横浜商科大学緑キャンパス 小林 雅人
FAX:045-934-2003
E-mail:
その他:
e-mailがある場合にはメールアドレスをお知らせください。応募が多すぎる場合には、シンポジウムの趣旨に沿ったものから選ばせていただきます。結果については、9月中頃までにご連絡いたします。
趣旨説明:
東シナ海での国連海洋法条約の本格的な運用に先立ち、関係各国間では国益確保のためのさまざまな駆け引きが行われたようである。そして本年2月、日中韓による枠組みがようやく固まり、国連海洋法条約体制の本格始動となった。
その結果、世界有数の入会漁場が姿を消し、早速一部の漁業が操業不能となるなど、日本の漁業にとって大変厳しい新体制のスタートとなった。他国の排他的経済水域での漁獲を多く望めなくなった今、再び沿岸域での漁業を見直す必要性が生じてきた。
本シンポジウムでは九州西岸沿岸域での海洋環境と漁業について今一度、既往の知見を再認識し、さらには新しい視点からの切り口を模索したい。そこで、多くの好漁場に恵まれ、漁業者のみならず遊漁者の間でも広く知られた“五島灘とその周辺海域”をモデルとして、この豊かな海が維持されているメカニズムを解き明かすために、これまで蓄積されてきた海洋環境や漁業に関する知見をレビューし整理する。この過程を通して沿岸域での海洋環境研究、さらには漁業のあり方を考えて行くための一助となるよう本シンポジウムを開催する。
<Top>
4.第10回PAMS/JECSS研究集会のご案内
1997年9月に台北で開催された第9回太平洋アジア縁辺海(Pacific Asian Marginal Seas: PAMS)/日本海東シナ海研究(Japan and East China Seas Study: JECSS)集会に引き続く第10回集会が1999年10月7日から9日まで鹿児島で開催されます(大会委員長:前田明夫 鹿児島大学工学部教授)。今回の研究集会は、第5回国際海洋科学シンポジウム「太平洋とそのアジア縁辺海における物理、生物、化学、地質学的過程」として、鹿児島大学と海洋科学振興財団との共催で開催されます。日本、中国(北京、台北)、韓国、米国、ロシア、インドネシアの各国から約100名が参加します。
詳細はホームページ
http://waves.fish.kagoshima-u.ac.jp/pams99/top.htmlをご覧ください。なお、下記にお知らせ戴ければ8月末にSecond Circularを郵送します。
連絡先:
Prof. Hiroshi Ichikawa
5.支部会員名簿について
本ニュースレターは支部会員、西南地区に登録されている海洋学会会員および西日本海洋調査技術連絡会議会員機関へお送りしています。本号に
1998年11月発行の日本海洋学会員名簿および「海の研究」第8巻第4号(1999年8月)に基づいて作成した支部会員名簿を添付しました。本名簿の記載に誤りがありましたら,事務局へお知らせ下さい。なお、本支部は西南地区(山口県、九州
7県、沖縄県)の海洋学の進歩普及を図ることを目的として海洋学会内に発足した組織ですが、地区内に在住しない方でも、海洋学会員でない方でも入会できます。地区外へ転出される場合、あるいは海洋学会を退会される場合でも支部への加入を継続することが可能です。この際に支部参加を継続する旨を事務局へお知らせ戴ければ、ニュースをお送りします。今後の転勤等に際して、ご連絡くださいますようお願い申し上げます。 <Top>
本ニュースレターに関するご意見や投稿したい情報等がありましたら、下記へお知らせ下さい。
日本海洋学会西南支部事務局
鹿児島大学水産学部環境情報科学講座内
〒
日本海洋学会西南支部ホームページ