関係各位

セミナーのご案内

以下のセミナーを開催致します。
興味のございます方は、是非ご出席ください。

日 時:
10月25日(木) 16:30~
場 所: 応用力学研究所6階セミナー室(W606)
講演者: 佐藤陽祐氏(理化学研究所・計算科学研究機構)
講演題目:
ビン法雲モデルを用いて検証する衛星観測から推測された雲の成長過程
~ALICEモデル、SCALEモデルと衛星とのコラボレーションの可能性を探る~
 
講演要旨:

本研究では、衛星から雲の微物理特性を導出する際、また、雲エアロゾル相互作用において重要な物理量である、雲粒粒径分布関数を陽に予報するビン型雲モデルを気象庁非静力学モデルに組み込んだALICEモデルを用いて、カリフォルニア沖の下層雲を対象とした数値実験を行った。

カリフォルニア沖において下層雲を再現するには計算領域にエアロゾルのsourceが必要であることが示され、雲粒からのエアロゾルの再放出過程を導入する事で下層雲の再現が可能になった。これにより、Nakajima et al. (1991)、Nakajima and Nakajima(1995)、Nakajima et al. (2010)らが導出した、雲の成長過程に関するダイアグラムを3次元のビン法モデルで初めて再現に成功した。

次に感度実験を通して、Nakajimaらがダイアグラム上で推定した雲の成長過程に関する推定が雲一つ一つに関しては妥当であるが、衛星観測から得られる雲一つ一つを解像しない限りは雲の成長過程を推定できない事を示した。

さらに計算領域中にエアロゾルのsourceが必要であったため、ALICEモデルにエアロゾル輸送モデルSPRINTARSを導入し、関東領域を対象とした数値実験を行った。本セミナーではSPRINTARS+ALICEモデルの初期計算結果を紹介し、ALICEモデルの現状の問題点、発展に関して議論を行う。

また理化学研究所にて開発を行っているSCALEモデルの紹介と今後のコラボレーションの可能性を議論する。

お問い合わせ先:大気環境モデリング分野 竹村