九州大学応用力学研究所
RIAMフォーラム2015

拝啓 時下ますますご清祥の事とお慶び申し上げます。
 一昨年から公開研究発表会RIAM フォーラムのスタイルを一新して3年目になります。内容は応用力学研究所の活動状況紹介を冒頭にいたします。そのあと昨年度中に学会等で受賞されるなど、際立つ業績を上げられた方々に講演をしてもらいます。初日の後半には、力学における共同利用・共同研究拠点として、他機関の方々が当研究所において実施された興味深い数々の研究のうち、いくつかを発表していただきます。本年も時間の制約で各分野数件の研究紹介にとどまるのは残念な限りですが、共同利用研究所としての役割を十分に果たしていることを理解していただけると思います。この2年間の特筆すべきことは国際共同研究の案件が飛躍的に伸びていることが挙げられます。大学改革で叫ばれるスーパーグローバル化を研究面で先取りしていることが客観的データでわかります。最先端の研究をしていけば当然の成り行きだと考えます。二日目は昨年に引き続き、研究所内の全研究室から近年のトピックス的研究を1件ずつ発表してもらいます。これは所内で互いの研究をもっとよく知りたい、切磋琢磨していく刺激と、各自の研究において異分野からの思わぬヒントを得る期待、また所内での横断的プロジェクトの芽を見つけるためでもあります。一昨年度から初めて取り入れ、興味深い議論がなされ、研究所内の研究交流に発展している例もありますので続けることにしました。思わぬ実を結ぶことを期待しています。
 ご多用中恐れ入りますが、多数ご参加くださいますようご案内申し上げます。  

敬具

2015年 6月

九州大学応用力学研究所長 大屋裕二

日 時: 2015年 6月 4日(木)13:00 ~ 5日(金)16:20
会 場: 九州大学筑紫地区 共通管理棟3F 大会議室
MAP

RIAMフォーラム2015 プログラム

6月4日(木)
座長:岡本 創
13:00-13:15 所長挨拶および研究所の現状と将来計画
受賞記念講演
13:15-13:40
柿本浩一:
創エネルギーと省エネルギーのための結晶成長
(日本結晶成長学会40周年記念学会貢献賞)
13:40-14:05
寒川義裕:
化合物半導体エピタキシーの基礎
(日本結晶成長学会 第31回論文賞)
14:05-14:30
佐々木真:
振動帯状流の時空間構造とエネルギー移送に関する理論的研究
(第9回日本物理学会若手奨励賞)
14:30-14:55
竹村俊彦:
全球エアロゾルモデルの構築と気候変動に対するエアロゾルの影響の研究
(Highly Cited Researchers 2014および2014年度地球惑星科学振興西田賞受賞記念講演)
14:55-15:10 (休憩)
 
招待講演
15:10-15:30
嘉数 誠(佐賀大学):

ワイドギャップ半導体の結晶欠陥の観察と生成メカニズム
15:30-15:50
経塚雄策(九州大学総合理工学研究院):

潮流発電の研究開発の現状と今後の課題
15:50-16:10
宮本光貴(島根大学):

ヘリウム照射下におけるタングステンの損傷組織発達過程のその場観察
16:10-16:30
出射 浩(九州大学応用力学研究所):

マイクロ波・ミリ波を用いたリモートセンシング・制御
16:30-16:50
石坂丞二(名古屋大学):

長江河川水の東シナ海生態系への影響
16:50-17:10
西澤智明(国立環境研究所):

地上ライダーネットワークおよび衛星搭載ライダーデータを用いたエアロゾル光学特性の観測研究
17:10-17:30 総合討論
   
6月5日(金)
Ⅰ.非線形力学―理論とシミュレーション
  座長:市川 香
10:00-10:15
和方吉信:
東シナ海乱流観測のLESによる数値シミュレーション
10:15-10:30
岡村 誠:
一様等方性乱流の時間相関関数
10:30-10:45
小菅佑輔:
プラズマ乱流が作り出す平行流れ場構造と密度分布構造
10:45-11:00
糟谷直宏:
核融合プラズマの非線形応答と乱流輸送シミュレーション
11:00-11:15
岩崎慎介:
瀬戸内海の潮汐に対する大気応答、そして海洋再応答の可能性
11:15-11:30
Hubert Valencia:
III-V-N material design for high efficiency multijunctionsolar cell: A theoretical approach
11:30-13:00 (休憩)
 
Ⅱ.非線形現象と観測
  座長:糟谷直宏
13:00-13:15
PAN Xiaole:
Seasonal variation of polarization properties of tropospheric aerosol observed at Fukuoka by POPC
13:15-13:30
王 彬:
Cross-isobath behavior of the Changjiang diluted water in winter
13:30-13:45
岡本 創:
衛星データ複合利用による雲物理量解析の現状と、将来構想
13:45-14:00
藤澤彰英:
トモグラフィーを用いたプラズマ乱流計測法の開発
14:00-14:15
堤 英輔:
有明海における潮流と乱流混合に関する観測的研究
14:15-14:30 (休憩)
 
Ⅲ.非線形力学―解析と応用
14:30-14:45
中村一男:
クォターニオンによるプラズマ制御電源解析
14:45-15:00
渡辺英雄:
核融合炉原型炉を目指した先進炉材料開発と中性子照射効果
15:00-15:15
東藤 貢:
コンピュータ断層撮影とシミュレーションの融合による骨粗鬆症に起因する骨折メカニズムの究明
15:15-15:30
末吉 誠:
複合材料による新型海洋構造物の実現性について
15:30-15:45
長井知幸:
レンズ風車と最近の研究の動向
15:45-16:00
汪 文学:
風レンズ風車構造に関連する共同研究についての報告
16:00-16:20 総合討論