直線型装置における乱流構造形成の選択則

乱流プラズマの構造形成機構の解明は輸送現象の定量的理解のために重要な課題である。円筒形プラズマ中での乱流解析コードNumerical Linear Device (NLD)[13]を用いて直線型装置におけるドリフト波乱流の解析を行った。抵抗性ドリフト波不安定性による乱流の非線形飽和状態として帯状流とストリーマが形成される場合を得ている。イオン‐中性粒子間の衝突周波数が小さいと帯状流が形成され、輸送の抑制が起きる。衝突周波数が大きいと帯状流を減衰させ、変わってパラメトリック結合を通じたストリーマ形成が起こる。このとき非線形結合を通じて固有周波数の近い複数の不安定モードの位相がそろうことで方位角方向に局在化した構造が維持される。この両構造がメゾスケール構造の減衰力(この場合ではイオン‐中性粒子間の衝突)をパラメータとして選択的に形成される様相を明らかにした(図)。


図:非線形飽和状態におけるポテンシャル揺動エネルギーのイオン-中性粒子衝突周波数依存性。
(0,0)、(4,1)+(5,1)がそれぞれ帯状流、ストリーマ成分である。