九州大学 応用力学研究所 新エネルギー力学部門 風工学分野では、流体が物体を通過する際に発生する「渦」に注目してきました。一般的に、流体中(風や水流など)に置かれる(流体)機械は、この「渦」を極力発生しない形状を目指して流線型にデザインされます。
私たちはこの渦を逆手に取った新しい発想で「風レンズ技術」をコア技術として「レンズ風車/マルチレンズ風車」を開発しました。これらの技術は構造強度や安全性なども含めて、現在、小型および中型風車として実用化に成功しました。
さらに、それらの発電システムの適地を探査する「数値風況予測モデル(RIAM-COMPACT/リアムコンパクト)」の実用化にも成功しました。「数値風況予測モデル(RIAM-COMPACT/リアムコンパクト)」は、分散型電源としての小型・中型風車、集中型電源としての大型風車による風力エネルギーの需要拡大、災害リスク(台風、竜巻、火山ガス、大気汚染物質、山火事、花粉など)の低減、空の革命の実現(無人/有人ドローンの高密度運用)を研究テーマの柱とし、「人々の生活圏高度における局所的な風の流れ予想の高度化」を目指しています。
「レンズ風車/マルチレンズ風車」および「数値風況予測モデル(RIAM-COMPACT/リアムコンパクト)」を生み出した背景には、様々な流れに対する研究の歴史があります。「非流線型の物体(ブラフボディー)周りの流れ」に関する研究、「長大構造物などの耐風特性やフラッタ」に関する研究、「地表に近い大気に現れる風(大気境界層)」に関する研究などです。これらの研究テーマに対して、室内実験(水槽/風洞)、数値流体シミュレーション、野外観測により総合的にアプローチしてきました。
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