九州大学 応用力学研究所
海洋動態解析分野(海洋循環研究室)
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概要

中国大陸と九州および琉球列島に囲まれた東シナ海は、広い大陸棚を持ち古くから漁業資源の豊かな海として知られてきました。中国大陸から流入する河川水の影響と大陸棚の縁辺部を流れる黒潮の影響によって複雑な海洋構造を示し、その相互作用が豊かな生物資源を育んでいます。

相互作用と一口に言ってもそこには様々な過程があり、一つ一つが充分に理解されているわけではありません。たとえば、黒潮と大陸棚の水との境界部分にはしばしば大きな渦ができ、その渦に伴って両者の水が混合している様子が衛星画像から見られます。しかし、衛星画像はわかりやすいイメージを与えますが、海の中のことまではわかりません。

私たちは観測船に乗って海に出かけ、このような渦の内部構造をとらえる試みを行っています。この渦に伴って、海水の混合がどのように行われているかという点については、まだこれからの問題です。また、大陸棚縁辺部での海水混合については、内部波が重要な役割を果たしていることがしばしば指摘されています。内部波というのは、海面に見られる波ではなくて、海の内部に起こる波のことです。

私たちはここ数年、東シナ海の陸棚縁辺部で係留観測を繰り返し、この海域で内部波が頻繁に起こっていることを確認しています。上述の渦と同様、この内部波が海水の混合に重要な役割を果たしていることは確かなのですが、その詳しい過程、たとえばエネルギーの流れなどについてはまだよくわかっていません。これらの未だよくわかっていない、海水の混合に関わる問題が私たちの研究テーマです。

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