九州大学 応用力学研究所
海洋動態解析分野(海洋循環研究室)
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概要

日本海は日本列島により北太平洋から切り離された海(縁海)です。日本海の平均水深は1350mと非常に深いのですが、他の海とつながる4つの海峡の水深が150mよりも浅いため、その深層は完全に外海から隔絶された、洗面器のような形をしています。

日本海の深層には、温度が0〜1℃という非常に冷たい海水が分布しています。これほど冷たい海水は日本近海では日本海でしかみられないことから、「日本海固有水」と呼ばれています。海底地形からもわかるように、日本海固有水は外海から入ってきたものではなく、日本海の内部で形成されることが知られています。つまり日本海は、独自の深層水の形成機構をもっています。

近年、日本海固有水に異変が起こっています。1960年代からの記録を詳しくみると、日本海固有水の水温が徐々に上昇するとともに、含まれている酸素の量が徐々に減少していることが報告されています。日本海固有水は、寒い冬にシベリア沿岸で冷やされた水が重くなって深層まで沈み込むことによって作られると考えられていますが、これらの観測結果は、深層までの沈み込みがここ数十年間のあいだ不活発になっていることを示しており、地球温暖化の影響ではないかと考えられています。

私たちの研究室では、日本海固有水を含む日本海の海水循環を、実際に船に乗って海に出かけ、直接観測することを通して明らかにしようとしています。
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