将来の研究計画

    深海機器力学実験水槽においては、従来の試験水槽で行われている船舶や浮体式海

   洋構造物の波浪中の運動・流体力学の研究に加えて、「海洋空間連続計測のための曳

   航ロボットの力学の研究」「自律巡航型海中ビ−クルの研究」「海洋環境実時間モニ

   タリングのためのブイシステムの開発研究」「長大な弾性管やケ−ブルの挙動等の流

   力弾性応答の研究」等が計画されている。そのための補助実験装置として、無接触運

   動解析装置・各種強制動揺装置等が整備されている。深海機器力学実験水槽は、従来

   の海面を中心とした2次元的な水槽の役割を深さ方向の実験を可能とする3次元水槽

   へと拡張したものであり、深海の持つ極限的な高圧環境を再現するものではない。今

   後は環境と調和できる海洋資源開発技術と海洋計測技術の向上を目指した研究を推進

   していく予定である。当面の研究計画の概念図3を示す。いずれの研究も水平方向のみ

   ならず深さ方向の変化も重要である。 具体例として、応用力学研究所において現在進

   行中の「大気海洋間の熱・運動量・物質循環の計測法の開発研究」の概念図4を示す。

   図中の網かけした部分が本プロジェクトで開発中、その他は過去の開発研究の成果を

   使用している。これらの観測システムを平成5年度から日本海および玄海灘に展開し

   て観測中である。この様な海洋観測システムの開発にあたっては過去も現在も試験水

   槽の果たす役割は大きい。写真4は「海洋観測ロボットFlying Fish」の深海機器力

   学実験水槽における制御実験風景である。海上実験を行う前の予備実験として、流速

   発生装置による水槽実験は極めて有効である。従来は年に1〜2回程度の海上実験が総

   てであったために、開発速度も限られていたが水槽に於ける予備実験が可能になった

   ので、かなり改善された。

    最後に水槽建設は(株)西日本菱重興産、造波機及び曳航装置は三井造船(株)、

   流速発生装置については西日本流体技研(株)にお世話になりました。ここに付記し

   て、感謝の意を表します。

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